みけの物語カフェ

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0022「アフター5のシンデレラ」

「アフター5(ファイブ)のシンデレラ」(2008/11/07)

 ちょっと昔(むかし)のお話(はな)しです。財閥(ざいばつ)の一流企業(いちりゅうきぎょう)に、なぜか中途採用(ちゅうとさいよう)で一人(ひとり)の女(おんな)の子(こ)が入社(にゅうしゃ)しました。彼女(かのじょ)は黒眼鏡(くろめがね)をかけて髪(かみ)はぼさぼさ、化粧(けしょう)もしてないようなみすぼらしい娘(むすめ)でした。それに、仕事(しごと)ものろまで、失敗(しっぱい)ばかりしていて、いつも怒鳴(どな)られていました。
 そんな風(ふう)なので先輩(せんぱい)の女子社員(じょししゃいん)からは雑用(ざつよう)にこき使(つか)われ、男子社員(だんししゃいん)からも見向(みむ)きもされず、声(こえ)をかけられることもありませんでした。そんな彼女(かのじょ)ですが、愚痴(ぐち)をこぼすこともなく、こまねずみのように働(はたら)いていました。
 ある日(ひ)、前(まえ)が見(み)えないほど書類(しょるい)を抱(かか)えて歩(ある)いていた彼女(かのじょ)は、一人(ひとり)の男子社員(だんししゃいん)とぶつかって転(ころ)んでしまいます。彼女(かのじょ)はおどおどして「すいません」と頭(あたま)を下(さ)げますが、男子社員(だんししゃいん)はニコニコ笑(わら)って、「大丈夫(だいじょうぶ)ですか?」と優(やさ)しく手(て)を取(と)ってくれました。
 その男(おとこ)は真面目(まじめ)だけが取(と)り柄(え)で、いつも楽(たの)しそうに仕事(しごと)をしていました。男(おとこ)は彼女(かのじょ)を見(み)た途端(とたん)、好(す)きになってしまいます。一生懸命(いっしょうけんめい)に働(はたら)いている彼女(かのじょ)を、何(なに)かと手伝(てつだ)うようになったのです。男(おとこ)はどんな陰口(かげぐち)を言(い)われても、まったく気(き)にしませんでした。
 いつしか二人(ふたり)は付(つ)き合(あ)うようになりました。そして、彼女(かのじょ)は男(おとこ)を家(いえ)に招(まね)くことにしたのです。彼女(かのじょ)に連(つ)れられて、男(おとこ)はそわそわしながら家(いえ)に向(む)かいます。そして、
「ここなんですよ」と彼女(かのじょ)が指(ゆび)さした先(さき)には、立派(りっぱ)な豪邸(ごうてい)が建(た)っていました。
 実(じつ)は彼女(かのじょ)は、財閥(ざいばつ)のお嬢(じょう)さんだったのです。男(おとこ)は、足(あし)がすくんでしまいました。
<つぶやき>この二人(ふたり)は、これからどうなるのでしょうか? 幸(しあわ)せになってほしいなぁ。
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