「スキャンダル」(2008/12/07)
大企業(だいきぎょう)の給湯室(きゅうとうしつ)で女子社員(じょししゃいん)たちが噂話(うわさばなし)で盛(も)り上(あ)がっていた。
「ねえ、部長(ぶちょう)が秘書課(ひしょか)の相沢芳恵(あいざわよしえ)と不倫(ふりん)してるんだって」
「ウソ…、それって確(たし)かな情報(じょうほう)なの?」
「間違(まちが)いないわよ。総務部(そうむぶ)の飯島(いいじま)さんの話(はなし)だから」
「それは間違(まちが)いないわ。飯島(いいじま)さんの情報網(じょうほうもう)は確(たし)かだもん」
みんなの話(はなし)を黙(だま)って聞(き)いていた明美(あけみ)はため息(いき)をついた。それに気(き)づいた女子社員(じょししゃいん)の一人(ひとり)が、
「ねえ、どうしたの明美(あけみ)。さっきから、元気(げんき)ないじゃない」
「別(べつ)に…。仕事(しごと)に戻(もど)りましょう。こんなとこでサボってると、また部長(ぶちょう)に怒(おこ)られるわよ」
「そうね。でも、部長(ぶちょう)って以外(いがい)よね。あんな顔(かお)でどうして女(おんな)ができるんだろう」
「ほんとよね。これは、この会社(かいしゃ)の七不思議(ななふしぎ)のひとつだわ」
明美(あけみ)は部屋(へや)に戻(もど)るとやりかけていた書類(しょるい)をまとめ、メモを付(つ)けて部長(ぶちょう)のデスクへ持(も)っていった。部長(ぶちょう)は書類(しょるい)を受(う)け取(と)ると、明美(あけみ)の顔(かお)を見(み)てにこりと笑(わら)って、
「ご苦労(くろう)さん。えっと…、例(れい)の件(けん)だけど、都合(つごう)はどうかね?」
「それが…」明美(あけみ)は微笑(ほほえ)み返(かえ)すと、「メモに書(か)いておきましたので」と一礼(いちれい)して、さっさと自分(じぶん)のデスクへ戻(もど)ってしまった。部長(ぶちょう)は怪訝(けげん)な顔(かお)をしてメモを見(み)た。
<相沢(あいざわ)さんと楽(たの)しんだんですか? もし、私(わたし)と別(わか)れるつもりなら覚悟(かくご)しなさい。奥(おく)さんに言(い)いつけるわよ。どうなっても知(し)らないから!>
<つぶやき>これは恐怖(きょうふ)です。でも、会社(かいしゃ)の七不思議(ななふしぎ)って、他(ほか)にはどんなのがあるのかな?
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