みけの物語カフェ

いろんなお話を公開しています。お暇なときにでも…。

1513「プライベート」

「プライベート」(2025/04/11)

 女(おんな)の家(いえ)を訪(たず)ねてきた男(おとこ)。どうやら恋人(こいびと)のようだ。チャイムを鳴(な)らすと、にやついた顔(かお)で扉(とびら)が開(あ)くのを待(ま)った。しばらくして、迷惑(めいわく)そうな顔(かお)をした女(おんな)が出(で)てきた。
 女(おんな)は小声(こごえ)で言(い)った。「来(く)るなら連絡(れんらく)してください」
 男(おとこ)は期待(きたい)した反応(はんのう)を示(しめ)さない女(おんな)に、「なんだよ、それ…」
 女(おんな)は追(お)い返(かえ)すように、「今日(きょう)はダメなの。帰(かえ)ってよ」
 女(おんな)は、どうやらお怒(いか)りのようだ。でも、男(おとこ)にだってメンツがある。このまま引(ひ)き下(さ)がるわけにはいかない。だって、俺(おれ)は彼氏(かれし)なんだから、その権利(けんり)はあるはずだ。
 男(おとこ)は、「俺(おれ)たち恋人同士(こいびとどうし)だろ。なんでいちいち連絡(れんらく)しなきゃいけないんだ?」
 女(おんな)は平然(へいぜん)と言(い)ってのける。「あなた、勘違(かんちが)いしてない? 恋人同士(こいびとどうし)だからって、なんでも言(い)うこときくって思(おも)ってるなんて…。あたし、今日(きょう)は用事(ようじ)があるの。あなたと付(つ)き合(あ)ってはいられないから。すぐに帰(かえ)って」
 女(おんな)は家(いえ)の中(なか)へ入(はい)ろうと扉(とびら)を開(あ)けた。すると、男(おとこ)はムリにでも家(いえ)に入(はい)ろうと扉(とびら)をつかんだ。そのときだ。誰(だれ)かが部屋(へや)の奥(おく)にいるのが見(み)えた。それは…、男(おとこ)だ!
 男(おとこ)は女(おんな)に言(い)った。
「あれは誰(だれ)だよ。俺(おれ)がいるのに、なんでほかの男(おとこ)を部屋(へや)に入(い)れるんだよ」
 女(おんな)は、男(おとこ)を押(お)し退(の)けると、「あなたには関係(かんけい)ないでしょ。あたしのプライベートにまで踏(ふ)み込(こ)まないでください。これ以上(いじょう)なにかしたら…、ただじゃおかないから!」
 女(おんな)の剣幕(けんまく)に、男(おとこ)はたじろいだ。女(おんな)は部屋(へや)に飛(と)び込(こ)むと、音(おと)を立(た)てて扉(とびら)を閉(し)めた。
<つぶやき>この二人(ふたり)、どういう関係(かんけい)なの? いろいろと想像(そうぞう)を膨(ふく)らませてくださいね。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。