みけの物語カフェ

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0003「小悪魔的微笑」

「小悪魔的微笑(こあくまてきびしょう)」(2009/05/06)

   小(ちい)さな結婚式場(けっこんしきじょう)で、受付(うけつけ)をすることになった初対面(しょたいめん)の二人(ふたり)。
さやか「ねえ、花嫁(はなよめ)のドレス、見(み)た? 超(ちょう)ダサくない」
山本(やまもと)「そんな…。(小声(こごえ)で)他(ほか)のお客(きゃく)さんに聞(き)こえますよ」
さやか「別(べつ)にいいじゃん。どうせ、ちんけな結婚式(けっこんしき)なんだから」
山本(やまもと)「ダメですって、そんなこと言(い)っちゃあ」
さやか「正貴(まさき)も、何(なん)であんなブスにしたんだろう」
山本(やまもと)「ブスって。姫野(ひめの)さんはブスじゃないですよ」
さやか「あんた、あの女(おんな)のなに?」
山本(やまもと)「なにって…、友達(ともだち)ですよ」
さやか「私(わたし)、むかし正貴(まさき)と付(つ)き合(あ)ってたから、あいつのこと何(なん)でも知(し)ってんだよね」
山本(やまもと)「えっ!?」
さやか「そんなに驚(おどろ)かなくてもいいじゃん。むかしのことよ」
山本(やまもと)「昔(むかし)って?」
さやか「あの二人(ふたり)、ぜったい別(わか)れるね。一年(いちねん)もたないんじゃないのかなぁ」
山本(やまもと)「そんなことないですよ。別(わか)れるなんてことは…」
さやか(山本(やまもと)の顔(かお)を覗(のぞ)き込(こ)み)「あんたさ、もしかしてあの女(おんな)のこと好(す)きなの?」
山本(やまもと)(動揺(どうよう)して)「えっ、そ、そんなことは…」
さやか「やっぱりそうなんだ。あんな女(おんな)、やめときなよ。どこがいいの? どうせ今日(きょう)だって、無理(むり)やり受付係(うけつけがかり)を押(お)しつけられたんでしょう」
山本(やまもと)「いや、それは…」
さやか「ねえ、私(わたし)と付(つ)き合(あ)わない?」
山本(やまもと)「はい?」
さやか「いいじゃない。あんた、どうせ他(ほか)に彼女(かのじょ)いないんでしょう」
山本(やまもと)「あのね、突然(とつぜん)そんなこと言(い)われても…」
      受付(うけつけ)に客(きゃく)がやって来(く)る。
さやか「どうも、ありがとうございます。こちらにご記入下(きにゅうくだ)さい。(山本(やまもと)に微笑(ほほえ)みかける)もうすぐ始(はじ)まりますので、あちらの方(ほう)でお待(ま)ち下(くだ)さい」
      客(きゃく)が受付(うけつけ)を離(はな)れていく。山本(やまもと)はどうしたものかと考(かんが)え込(こ)んでいる。
さやか「ねえ、これ終(お)わったら、二人(ふたり)で抜(ぬ)け出(だ)さない?」
山本(やまもと)「そんな、ダメですよ」
さやか「いいじゃん、デートしようよぉ」
山本(やまもと)(怒(おこ)って)「もう、冗談(じょうだん)は止(や)めて下(くだ)さい。僕(ぼく)は…」
さやか「わあっ、かわいいーぃ。じゃあ、式(しき)が終(お)わってからでいいよ」
山本(やまもと)「なんで、僕(ぼく)なんかと付(つ)き合(あ)うんですか。きょう会(あ)ったばかりなのに…」
さやか「だって、あんたみたいな人(ひと)、初(はじ)めてなんだもん。なんか、感(かん)じるものがあるのよ。きっと、私(わたし)のタイプなんだわ。そんな難(むずか)しい顔(かお)しないで。お試(ため)し期間(きかん)ってことで、よろしくねっ~」(とても可愛(かわい)らしく微笑(ほほえ)みかける)
<つぶやき>この男(おとこ)、いじられるタイプなの? 優(やさ)しくしてあげてくださいね。
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