みけの物語カフェ

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0060「マイホーム」

「マイホーム」(2008/12/15)

 山田(やまだ)さんは念願(ねんがん)の一戸建(いっこだ)てを購入(こうにゅう)した。とても便利(べんり)な場所(ばしょ)なのに、信(しん)じられないくらい安(やす)かったのだ。家族(かぞく)は欠陥住宅(けっかんじゅうたく)じゃないのかと心配(しんぱい)したが、物件(ぶっけん)を見(み)てみると、少(すこ)し古(ふる)いがとてもしっかりした造(つく)りになっていた。
 引(ひ)っ越(こ)しの後片付(あとかたづ)けもすんで、家族(かぞく)が寝静(ねしず)まった深夜(しんや)のこと。二階(にかい)に寝(ね)ていた山田(やまだ)さん夫婦(ふうふ)は、ガサガサという物音(ものおと)で目(め)が覚(さ)めた。その音(おと)は階下(かいか)から聞(き)こえてきていた。階段(かいだん)のところまで来(き)てみると、娘(むすめ)が下(した)を覗(のぞ)き込(こ)んでいた。
「ねえ、パパ」娘(むすめ)はひそひそと、「下(した)の電気(でんき)、ついてるみたい。泥棒(どろぼう)かな?」
 山田(やまだ)さんを先頭(せんとう)に、みんなで下(した)へ降(お)りてみた。すると、台所(だいどころ)の明(あ)かりがついていて、流(なが)しに洗(あら)い残(のこ)してあった食器(しょっき)が奇麗(きれい)に片付(かたづ)いていた。リビングに行(い)ってみると、掃除機(そうじき)がさっきまで使(つか)われていたかのように、コンセントにコードが差(さ)し込(こ)まれたままになっていた。
「誰(だれ)が出(だ)したの? 片付(かたづ)けておいたのに」奥(おく)さんが不思議(ふしぎ)そうにつぶやいた。
 一通(ひととお)り家(いえ)の中(なか)を見(み)てみたが、盗(と)られたものもなく、誰(だれ)かが侵入(しんにゅう)した形跡(けいせき)もなかった。一安心(ひとあんしん)した三人(さんにん)は、リビングに集(あつ)まった。すると、突然(とつぜん)電気(でんき)が消(き)えて真(ま)っ暗(くら)になり、娘(むすめ)が悲鳴(ひめい)をあげた。「なにか足(あし)にさわった」娘(むすめ)はそう言(い)って母親(ははおや)に抱(だ)きついた。明(あ)かりか戻(もど)ると、三人(さんにん)は目(め)を疑(うたが)った。テーブルが奇麗(きれい)に飾(かざ)られて、メッセージがおかれていたのだ。
<ようこそ。大歓迎(だいかんげい)です。これから仲良(なかよ)く暮(く)らしましょうね>
<つぶやき>謎(なぞ)の同居人(どうきょにん)、それともこの家(いえ)の精霊(せいれい)なのかな。こんな物件(ぶっけん)はいかがですか?
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