「選(えら)ばない女(おんな)」(2008/12/16)
僕(ぼく)の彼女(かのじょ)は容姿端麗(ようしたんれい)で、申(もう)し分(ぶん)のない女性(じょせい)だった。ただ、ひとつだけ欠点(けってん)をあげると…。
「どれにしよう。迷(まよ)っちゃうわ。ねえ、どれが良(い)いと思(おも)う」
「何(なん)でもいいじゃない。早(はや)く、頼(たの)もうよ」
「ねえ、あなたはどれにしたの?」「僕(ぼく)は、やっぱりこれかな」
「ええ、それなの。でも、それって美味(おい)しいのかなぁ」
「前(まえ)に食(た)べたことあるけど、美味(おい)しかったよ」
「そうなんだ。私(わたし)…、どうしようかな。ねえ、あなたが決(き)めてよ」
「ええ…、そうだな。これがいいんじゃないかな。ヘルシーそうだし」
「そお? でも私(わたし)は、どっちかって言(い)うと、こっちかな」
「じゃあ、そっちにすればいいじゃない。注文(ちゅうもん)しようよ」
「ちょっと待(ま)ってよ。もう少(すこ)し考(かんが)えさせて」
「そんなに考(かんが)え込(こ)まなくても…。先(さき)に頼(たの)んじゃうよ」
「分(わ)かったわよ。じゃあ、あなたが決(き)めた、ヘルシーそうなのでいいわ」
今日(きょう)も楽(たの)しく食事(しょくじ)をしてたはずなのに、店(みせ)を出(で)たところで彼女(かのじょ)はぽつりとつぶやいた。
「他(ほか)のにすればよかった。あんまり美味(おい)しくなかったわ。あなたが選(えら)んだのよ。次(つぎ)は絶対(ぜったい)に、美味(おい)しいお店(みせ)に連(つ)れてってよね」
彼女(かのじょ)の好(この)みが今(いま)ひとつ把握(はあく)できなくて…。僕(ぼく)はどうすればいいのでしょうか?
<つぶやき>私(わたし)にそんなこと言(い)われても…。彼女(かのじょ)に決(き)めさせるのが一番(いちばん)だと思(おも)いますけど。
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