「返事(へんじ)はあとで」(2025/04/23)
わたしは知(し)り合(あ)いの男性(だんせい)から告白(こくはく)された。あまりにも突然(とつぜん)のことだったので、わたしは返(かえ)す言葉(ことば)がなかった。彼(かれ)が言(い)うには、一目惚(ひとめぼ)れのようだ。初(はじ)めて会(あ)ったときから、そういうあれだったそうだ。だから…、いつもわたしに話(はな)しかけてきてたんだ。
わたしは、そういうことには疎(うと)いタイプの人間(にんげん)だ。恋愛(れんあい)に関(かん)しては、まったく、完全(かんぜん)に、苦手意識(にがていしき)を持(も)っている。だからそういうことにはなるべく近寄(ちかよ)らないようにしていた。彼(かれ)には、そういうことはまったく伝(つた)わっていないみたい。
困(こま)った顔(かお)をしていたんだろう。彼(かれ)は、返事(へんじ)はすぐでなくてもいいからと…。そんなこと言(い)われても…。ここは、どうやら考(かんが)えてみるしかないようだ。
わたしはひとりになって考(かんが)えた。彼(かれ)の顔(かお)を思(おも)い浮(う)かべながら。好(す)きになってくれたのは嬉(うれ)しい。嬉(うれ)しいけど、わたしは…彼(かれ)のことを好(す)きになれるのか? 彼(かれ)に対(たい)して好(す)きという感情(かんじょう)がまったくないので、そこからどうなの…ってことなんだけど…。分(わ)からない。
ふと、わたしは別(べつ)のことに思(おも)いが移(うつ)っていった。彼(かれ)と、これからずっと一緒(いっしょ)にいられるだろうか? 後期高齢者(こうきこうれいしゃ)になっても、彼(かれ)はわたしのことを愛(あい)してるって言(い)ってくれるだろうか? わたしも、おじいさんになった彼(かれ)のことを愛(あい)していられるのだろうか…。
ああ…、ダメだ。三十路前(みそじまえ)のわたしではまったく想像(そうぞう)できない未知(みち)の領域(りょういき)だ。返事(へんじ)…、どうしよう。ここは、うやむやしにて…。でも、そんなわけにはいかないよね。
<つぶやき>いろいろありますよね。そこらへんのこと、打(う)ち明(あ)けてみるのもいいかも。
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