「アクマ降臨(こうりん)」(2025/04/29)
あたしは彼(かれ)とドライブに出(で)かけた。でも、彼(かれ)はどこへ行(い)くのか教(おし)えてくれなかった。彼(かれ)は黙(だま)って車(くるま)を走(はし)らせる。なんか、いつもの彼(かれ)とは別人(べつじん)のようだった。
車(くるま)はどこかの山(やま)の中(なか)へ、細(ほそ)い道(みち)を登(のぼ)っていく。森(もり)へ入(はい)って、どうやら別荘地(べっそうち)のようだ。でも、人(ひと)が住(す)んでいるのか…? オフシーズンだからなのか人(ひと)の姿(すがた)がどこにもないように感(かん)じた。どの別荘(べっそう)も、何(なん)だか寂(さび)れているように見(み)える。
彼(かれ)はある別荘(べっそう)の前(まえ)で車(くるま)を止(と)めた。そして降(お)りるように促(うなが)して言(い)った。
「君(きみ)に会(あ)わせたいんだ。僕(ぼく)の親友(しんゆう)にね。きっと君(きみ)も好(す)きになるはずだ」
あたしは不安(ふあん)な気持(きも)ちになったが、彼(かれ)と一緒(いっしょ)に別荘(べっそう)の前(まえ)まで行(い)く。彼(かれ)は扉(とびら)のカギを開(あ)ける。えっ、ここって彼(かれ)の別荘(べっそう)なの? あたしは、そんな話(はな)し聞(き)いたことないんですけど…。彼(かれ)は中(なか)へ入(はい)って行(い)く。あたしも彼(かれ)のあとからついて行(い)く。
別荘(べっそう)の中(なか)は薄暗(うすぐら)く、何(なん)だか埃(ほこり)っぽい臭(にお)いがした。暗(くら)さに目(め)が慣(な)れてくると、そこは家具(かぐ)もなくがらんとしていた。でも、床(ゆか)に何(なに)か模様(もよう)が…。大(おお)きな円(えん)の中(なか)に、何(なに)か文字(もじ)のようなものが書(か)かれてあった。彼(かれ)はその円(えん)の中心(ちゅうしん)に立(た)って言(い)った。
「じゃあ、僕(ぼく)と親友(しんゆう)になった悪魔(あくま)を呼(よ)び出(だ)すね」
あたしは、彼(かれ)が何(なに)を言(い)ってるのか分(わ)からなくて、「アクマってなによ?」
そのとき、あたしは彼(かれ)の言葉(ことば)が理解(りかい)できなくなっているのに気(き)がついた。
<つぶやき>彼(かれ)はどこで悪魔(あくま)さんと知(し)り合(あ)ったのでしょうか? ちょっと気(き)になりますね。
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