みけの物語カフェ

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1521「後ろの人たち」

「後(うし)ろの人(ひと)たち」(2025/05/03)

 彼女(かのじょ)の後(うし)ろにはいつも人(ひと)がいた。しかもそれは、どうやら霊的(れいてき)なもののようだ。それが見(み)えてしまった人(ひと)たちは、当然(とうぜん)のことだが彼女(かのじょ)とは距離(きょり)をとってなるべく関(かか)わらないようにしていた。でも、不思議(ふしぎ)なことだが、誰(だれ)も自分(じぶん)が見(み)たことを他(ほか)の人(ひと)には話(はな)さなかった。だからなのか、彼女(かのじょ)について変(へん)な噂(うわさ)が流(なが)れることはなかった。
 彼女自身(かのじょじしん)はどうかというと、彼女(かのじょ)にはそれが見(み)えていないようだ。彼女(かのじょ)の周(まわ)りでそんなことが起(お)きてるなんて、まるで気(き)づくはずもなかった。
 その霊的(れいてき)なものは、彼女(かのじょ)とどういう関係(かんけい)なのか? 彼女(かのじょ)を護(まも)っているのか、それとも、何(なに)か別(べつ)な目的(もくてき)があるのか…。それを計(はか)り知(し)ることはできないだろう。しかし、見(み)えてしまった人(ひと)たちのことを詳(くわ)しく調(しら)べてみると、分(わ)かることもあった。
 その人(ひと)たちはすべて、何(なん)らかの下心(したごころ)があったようだ。彼女(かのじょ)の身体(からだ)が目的(もくてき)だったり、彼女(かのじょ)のお金(かね)を盗(ぬす)もうとしていたり。彼女(かのじょ)に対(たい)して意地悪(いじわる)をしようと考(かんが)えていたり。一番(いちばん)ひどかったのは、彼女(かのじょ)を借金(しゃっきん)の形(かた)に売(う)り飛(と)ばそうとする人(ひと)までいた。
 ただひとつ、例外(れいがい)があった。その中(なか)のひとりの男性(だんせい)には、まったく下心(したごころ)はなかった。それなのに、彼(かれ)にはその霊的(れいてき)なものが見(み)えていた。でも、その男性(だんせい)は霊的(れいてき)なものを見(み)ても怖(こわ)がる素振(そぶ)りは見(み)せなかった。どういうわけか、笑(え)みを浮(う)かべることさえあった。
 彼女(かのじょ)からしてみると、自分(じぶん)に微笑(ほほえ)みかけてくる男性(だんせい)がいるということで…。これは、どう受(う)けとればいいのか悩(なや)むところである。さて、彼女(かのじょ)はどうするのか?
<つぶやき>この男性(だんせい)は何者(なにもの)なのか。特殊能力(とくしゅのうりょく)の持(も)ち主(ぬし)か、それともただの普通(ふつう)の人(ひと)…?
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