みけの物語カフェ

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0083「髪の長い彼女」

「髪(かみ)の長(なが)い彼女(かのじょ)」(2011/04/10)

 僕(ぼく)は髪(かみ)の長(なが)い女性(じょせい)が好(す)きだ。それも、黒髪(くろかみ)のストレート。こう、髪(かみ)をスーッとかき上(あ)げる仕草(しぐさ)はたまらない。なぜ女性(じょせい)の好(この)みがかたよってしまったのか。それは、姉(あね)の影響(えいきょう)が大(だい)なのだ。姉(あね)は子供(こども)の頃(ころ)から髪(かみ)を短(みじか)くしていて、よく男(おとこ)の子(こ)と間違(まちが)われていた。性格(せいかく)も男勝(おとこまさ)りで、僕(ぼく)はいつも泣(な)かされてばかり。大人(おとな)になった今(いま)でも、頭(あたま)が上(あ)がらない。だから、姉(あね)とは正反対(せいはんたい)の女性(じょせい)に惹(ひ)かれてしまうのだろう。
 今(いま)の彼女(かのじょ)は、やっぱり髪(かみ)が長(なが)くて、優(やさ)しくて、思(おも)いやりがあって…。彼女(かのじょ)のそばにいるだけで、心(こころ)が癒(いや)されてしまう。彼女(かのじょ)を見(み)ているだけで、幸(しあわ)せな気分(きぶん)になる。今夜(こんや)も…。
「今日(きょう)はありがとうね。これでやっとテレビが見(み)られるわ。あたし、配線(はいせん)のことよく分(わ)からなくて。夕飯(ゆうはん)、食(た)べていくでしょ。じゃ、ちょっと着替(きが)えてくるね。待(ま)ってて」
 彼女(かのじょ)はそう言(い)うと隣(となり)の部屋(へや)へ。僕(ぼく)は彼女(かのじょ)の部屋(へや)に入(はい)るのは初(はじ)めてだった。何(なん)だか落(お)ち着(つ)かない。彼女(かのじょ)が出(で)て来(く)るまで、僕(ぼく)は何(なに)もできずにじっと座(すわ)っていた。
 扉(とびら)の開(ひら)く音(おと)で僕(ぼく)は振(ふ)り向(む)いた。そこにいた彼女(かのじょ)は…。
「どうしたの?」彼女(かのじょ)は唖然(あぜん)としている僕(ぼく)を見(み)て、「どう、似合(にあ)うでしょ。これが、あたし」
「えっ…、何(なん)で? か、髪(かみ)が…」
「短(みじか)いほうが楽(らく)なのよ。仕事(しごと)に行(い)くときはウイッグにしてるけど、こっちの方(ほう)が気(き)に入(い)ってるの。さて、なに作(つく)ろっかなぁ。これでもあたし、料理(りょうり)は得意(とくい)なのよ」
<つぶやき>あなたはどんな基準(きじゅん)で恋人(こいびと)を選(えら)びますか。きっとひとつではないはずです。
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