「カウント」(2025/05/20)
彼(かれ)はとてもイヤな夢(ゆめ)を見(み)た。なんの夢(ゆめ)だったのか思(おも)い出(だ)せないが、身体(からだ)がとてもだるくてベッドから出(で)られなかった。しばらくぼんやりしていたが、彼(かれ)はあることに気(き)がついた。それは、右上(みぎうえ)の視界(しかい)の隅(すみ)に数字(すうじ)が見(み)えているのだ。これはなんだ? 彼(かれ)は目(め)をこすってみたり、まばたきを繰(く)り返(かえ)してみたが、それが消(き)えることはなかった。
まるでテレビに映(うつ)っている時刻表示(じこくひょうじ)のようだ。しかも、それは数(かず)が増(ふ)えている。何(なに)をカウントしているのか…。どうやら一(ひと)つずつ増(ふ)えているようだが、その増(ふ)えるタイミングは早(はや)かったり遅(おそ)かったりしていた。彼(かれ)はベッドから出(で)ていろいろやってみたが、どういうタイミングで増(ふ)えていくのかまったく分(わ)からない。
彼(かれ)は仕事中(しごとちゅう)もそれが気(き)になって仕方(しかた)なかった。でも、そんなこといってられない。彼(かれ)はなんとか仕事(しごと)に集中(しゅうちゅう)するようにがんばった。昼(ひる)の休憩(きゅうけい)になったとき、彼(かれ)はそのことを忘(わす)れていた。いつもと変(か)わらずに、仕事仲間(しごとなかま)と雑談(ざつだん)をしたりしていた。
休憩(きゅうけい)も終(お)わり仕事(しごと)に戻(もど)ったとき、彼(かれ)はまた気(き)づいてしまった。視界(しかい)の隅(すみ)のあの数字(すうじ)に。彼(かれ)は驚(おどろ)いた。前(まえ)より数(かず)が少(すく)なくなっていた。今度(こんど)は一(ひと)つずつ減(へ)っているのだ。これはどういうことなんだ? 彼(かれ)はあせった。もし、数(かず)がゼロになったらどうなるんだ。まさか、死(し)んじゃうってことなのか…? これは、どうなっちゃうんだよ。
<つぶやき>なにをカウントしているのでしょうか? これは悪(わる)い夢(ゆめ)が続(つづ)いているのかも。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。