「結婚活動(けっこんかつどう)」(2011/07/11)
「あのですね、山崎様(やまさきさま)。この、お相手(あいて)の条件(じょうけん)についてなんですが…」アドバイザーは優(やさ)しく微笑(ほほえ)みながら言(い)った。「二(に)、三(さん)、ご質問(しつもん)させていただいても…」
「ええ、どうぞ」無表情(むひょうじょう)のまま女性(じょせい)は答(こた)えた。
「この、住(す)む場所(ばしょ)は実家(じっか)から一(いち)キロ以内(いない)、というのは…」
「私(わたし)、家族(かぞく)のことが大好(だいす)きなんです。できれば、同居(どうきょ)したいくらいなんです」
「そうですか。でも、たしか弟(おとうと)さんがいらっしゃいましたよね」
「ええ。同居(どうきょ)ということになっても、弟(おとうと)にはちゃんと納得(なっとく)させます」
「そうなんですか……。では次(つぎ)の、絶対(ぜったい)に浮気(うわき)はしない…」
「当然(とうぜん)ですわ。そうでしょ。私(わたし)を妻(つま)にするんですから」
「しかしですね、これは…」アドバイザーは困惑(こんわく)しながら言(い)った。
「男(おとこ)は浮気(うわき)をするものです。生物学的(せいぶつがくてき)に考(かんが)えても、当然(とうぜん)のことですわ。まあ、一応(いちおう)、条件(じょうけん)として書(か)いたまでです。もしそうなったら、追(お)い出(だ)すだけですから」
「ああ、なるほど……。あと、この遺伝子(いでんし)の採取(さいしゅ)に同意(どうい)すること、とありますが…」
「良(い)い子孫(しそん)を残(のこ)す。それが、私(わたし)たちが生(い)きる一番(いちばん)の目的(もくてき)じゃありませんか。そうでしょ」
「はあ…、そ、そうなんです…か?」
「そのためには、相手(あいて)の情報(じょうほう)を見(み)きわめる必要(ひつよう)があります。一番(いちばん)良(い)いマッチングを選(えら)ばなければ、良(い)い子孫(しそん)を得(え)ることはできませんわ。私(わたし)が出(だ)した条件(じょうけん)に、何(なに)か問題(もんだい)でも?」
<つぶやき>気持(きも)ちは二(に)の次(つぎ)…。こんな時代(じだい)が来(く)るのでしょうか? 何(なん)だか淋(さび)しいです。
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