みけの物語カフェ

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0168「氷の女」

「氷(こおり)の女(おんな)」(2012/02/02)

 氷川冷子(ひかわれいこ)。我(わ)が社(しゃ)にとって、もっとも優秀(ゆうしゅう)で有能(ゆうのう)な社員(しゃいん)のひとりだ。だが、それ以上(いじょう)に彼女(かのじょ)の美(うつく)しすぎる顔立(かおだ)ちと姿(すがた)は、何人(なんにん)もの男性社員(だんせいしゃいん)をとりこにした。彼女(かのじょ)を射止(いと)めようと、無謀(むぼう)にも挑戦(ちょうせん)し散(ち)っていった熱(あつ)い男(おとこ)たちは数知(かずし)れず。
 彼女(かのじょ)の氷(こおり)のような眼差(まなざ)しは、胸(むね)に突(つ)き刺(さ)さるほどの激痛(げきつう)をあたえ。また、彼女(かのじょ)の手(て)に触(ふ)れるだけで、身体中(からだじゅう)に悪寒(おかん)が走(はし)り入院(にゅういん)する騒(さわ)ぎにもなった。我(わ)が社(しゃ)では憂慮(ゆうりよ)し、特別対策(とくべつたいさく)チームを結成(けっせい)した。彼女(かのじょ)に近(ちか)づこうとする熱(あつ)い男(おとこ)を排除(はいじよ)し、減少(げんしょう)しつつある男性社員(だんせいしゃいん)を保護(ほご)しようというのだ。そのチームのリーダーには、女性(じょせい)にまったく興味(きょうみ)を示(しめ)さない温水(ぬくみず)があたることになった。温水(ぬくみず)は、我(わ)が社(しゃ)にとって何(なん)の利益(りえき)も生(う)み出(だ)さない男(おとこ)だった。だが、その温厚(おんこう)な人柄(ひとがら)で不思議(ふしぎ)と窓際(まどぎわ)で踏(ふ)みとどまっていた。
 数日後(すうじつご)、冷子(れいこ)に近(ちか)づこうとする男性社員(だんせいしゃいん)は激減(げきげん)した。これで、彼女(かのじょ)も仕事(しごと)に専念(せんねん)することができて、我(わ)が社(しゃ)の業績(ぎょうせき)も向上(こうじょう)するはずだった。だが、ここにきて異変(いへん)が起(お)こった。彼女(かのじょ)の仕事(しごと)に対(たい)する熱意(ねつい)が、別(べつ)の方向(ほうこう)へと向(む)いてしまったのだ。
 彼女(かのじょ)の眼差(まなざ)しには氷(こおり)のような冷(つめ)たさはなくなり、頬(ほお)はわずかに紅潮(こうちよう)して表情(ひょうじょう)も穏(おだ)やかになった。そして、彼女(かのじょ)の見(み)つめる先(さき)には、いつも温水(ぬくみず)がいた。彼女(かのじょ)がなぜこの男(おとこ)を選(えら)んだのか、それは未(いま)だに謎(なぞ)である。今後(こんご)、この男(おとこ)の評価(ひょうか)を再検討(さいけんとう)する必要(ひつよう)にせまられている。
<つぶやき>いつもクールな彼女(かのじょ)にとって、彼(かれ)は特別(とくべつ)な人(ひと)に見(み)えたのかもしれませんね。
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