みけの物語カフェ

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0003「仕事と恋」

「仕事(しごと)と恋(こい)」(2008/10/18)

「何(なん)でそんなこと言(い)うの? 約束(やくそく)したじゃない! ずっと一緒(いっしょ)にいるって」
 涼子(りょうこ)は電話口(でんわぐち)で声(こえ)を荒(あ)らげた。電話相手(でんわあいて)の彼(かれ)とは、もう三年(ねん)の付(つ)き合(あ)いになる。ここ数ヶ月(すうかげつ)はお互(たが)いの仕事(しごと)が忙(いそが)しく、なかなか逢(あ)うことが出来(でき)なかった。それに、電話(でんわ)も夜遅(よるおそ)くしか出来(でき)ないので、長話(ながばなし)をするわけにもいかなかった。涼子(りょうこ)は淋(さび)しい思(おも)いを我慢(がまん)していた。
 だから、今日(きょう)はまだ早(はや)い時間(じかん)なのに彼(かれ)から電話(でんわ)がかかってきて、涼子(りょうこ)は飛(と)び上(あ)がらんばかりに喜(よろこ)んだ。それが、まさかこんな事(こと)になるなんて、夢(ゆめ)にも思(おも)わなかった。
「どういうことよ。はっきり言(い)ってよ」
 涼子(りょうこ)の声(こえ)は震(ふる)えていた。相手(あいて)の話(はなし)を身動(みうご)きもせずに聞(き)いていたが、
「分(わ)かんないよ! 仕事(しごと)がそんなに大切(たいせつ)なの。……そりゃ、私(わたし)だって、仕事(しごと)が忙(いそが)しくて、急(きゅう)に逢(あ)えなくなったときあったけど…」
 涼子(りょうこ)の目(め)から、一筋(ひとすじ)の涙(なみだ)がこぼれた。
「ねえ、どうしてもだめなの。離(はな)れたくないよ。ずっと一緒(いっしょ)にいようよ」
 彼(かれ)は、涼子(りょうこ)が泣(な)いているのに気(き)づいたようだ。
「泣(な)いてなんかいないわよ。二人(ふたり)で出(で)かける旅行(りょこう)、楽(たの)しみにしてたんだから。それなのに、私(わたし)を残(のこ)して、一人(ひとり)だけ日帰(ひがえ)りで帰(かえ)るなんて。いいわよ、一人(ひとり)で泊(と)まるから。二人分(ふたりぶん)、ご馳走(ちそう)食(た)べてやる!」
<つぶやき>仕事(しごと)と恋(こい)の両立(りょうりつ)は難(むずか)しいのかもしれませんね。どっちも大切(たいせつ)なんですから。
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